「女性は子どもを産む機械」発言の本質は何か

 柳沢厚生労働大臣が1月27日に松江市で「女性は子どもを産む機械」発言をし、31日になって安倍首相も「多くの女性の心を痛めたことに、私も深くおわびする」と謝罪した。この問題で女性団体や女性議員らが抗議し、世間もこの問題を女性に関する問題と捉えているが、本当にそうであろうか

 柳沢とは、一体どういう人物なのか。東大卒の元大蔵官僚で、最近は厚生労働大臣として労働者を保護する立場にありながら、アメリカと経済界の圧力に呼応してホワイトカラー・エグゼンプション(残業手当不払い法案)を強力に導入しようとした人物である。完全なアメリカ型の一部のトップ企業がどんどん儲ければ、労働者はそのおこぼれに与れるという考え方の人物である。即ち、労働者の保護よりも資本家の保護、労働者は物を生産する道具に過ぎないと考えているのであろう。その証拠に御手洗経団連会長は31日に早くも辞任不要と柳沢の擁護発言をしている。

 そもそも産業界は、人間を資本家を儲けさせる道具としか考えていない。経営資源の人・物・金の人である。彼らは人間を安くて、優秀な人材と言う物、即ち、機械と同列に置いているのである。この観点から見ると今回の「女性は子どもを産む機械」発言は、「女性は労働者を産み出す機械・装置」になるのである。今回の発言の根底には、日本国民を経営資源の物・金と同列に考える視点があったのではないか。

 このように考えると今回の問題発言は、女性に向けられたものではなく、労働者全体に向けられたものと考えるべきであろう。今回の発言は世界の多くの国で報道されたようである。日本を世界中の笑いものにさせた柳沢とそれを擁護する安倍及び御手洗

 あなた達に愛国心はあるのか?

(2007年2月3日 記)

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